アクセサリー制作のため、シーグラスに穴を開けていると時々思うことがあります。
「同じようなシーグラスなのに、さっきのに比べてこのシーグラスは穴が開くのに時間がかかる」
シーグラスを加工していると、そんな経験をすることが少なくありません。
最初はなんとなく「色によって硬さが違うのかな?」なんて思っていました。
しかし調べてみると、実際には色そのものではなく、ガラスの組成(成分)による違いが大きく影響していることがわかりました。
では、なぜ同じガラスなのに加工のしやすさに違いがあるのでしょうか?
そもそもガラスは主に、珪砂(ガラスの骨格)・ソーダ(溶かしやすくする成分)・石灰(丈夫にする成分)からできています。
そこに色を付けるための金属成分などが加えられます。
実は、色そのものではなく、この配合の違いが加工のしやすさを左右しているのです。
ガラスはその骨格となる珪砂が多いほど硬く丈夫になります。逆にソーダ成分が増えると、ガラスの骨格構造が緩み、比較的加工しやすい性質になります。そして石灰は耐久性を高める働きをしています。
つまり、ガラスはこのバランスによって「削れやすさ」が変わるのです。
実際の穴あけ作業の時。
例えばコバルトブルー。昔の薬瓶などに多く使われていた色で、比較的硬いような気がします。穴あけでも時間がかかる印象があります。
ソーダの瓶などに使われる水色系のガラスなどは、比較的加工しやすい感じがします。
また白系のガラスは、加工しやすく感じる時と、「あれ?なんか穴あけしづらい!」と感じる場合もあります。
しかし、「青いから硬い」「水色系だから削れやすい」ではありません。
「その青いガラスが硬い配合で作られていた」「そのソーダ色のガラスが削れやすい配合で作られていた」ということなのです。
そしてシーグラスになることで、さらに複雑になっていきます。
そこには長年海の中にあることが影響しています。海は巨大なタンブラーのように、何十年もの時間をかけてガラスを少しずつ磨き続けます。
シーグラスの表面は長い月日を海の中で揺られることにより、「ハイドレーション」「微細なクラック」「ピッティング」が発生します。
しかし、磨かれるのは表面だけです。内部には、表面ほど風化していない元のガラスが残っています。
そのため、穴あけをしていると「最初は削れやすいのに途中から急に進まなくなる」ということがあります。
私の場合、穴あけは表と裏の両方から行い、最後に中央で貫通させます。
その最後の数ミリ。
いくつものシーグラス加工をしていても、「あれ、今日は硬いな」と思う瞬間があります。
見た目は同じシーグラスでも、その中には製造された時代や配合、そして海で過ごした長い年月が刻まれているのでしょう。
穴あけをするたびに感じる、ほんの少しの削れやすさの違い。
私にとってそれは、海が一粒ごとに残してくれた「個性」であり、「物語」のように感じています。
「削れやすい色」はある? 〜穴あけ加工で気づいたガラスの違い〜
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